歯周病という病気は、歯の周囲の骨などの組織が破壊されてしまう病気で、放置して悪化すると歯を支えられなくなり、やがては歯を失ってしまいます。歯周病の治療は一般的に、歯の周囲についた汚染物質であるプラーク(歯垢)や、歯石を取り除くといったものですが、歯周病が重度になるにつれ、それだけでは歯周病の進行を止められなくなることがあります。
そんな場合に行われるのが歯茎の手術です。今回は歯茎の手術にはどのようなものがあるのか、また、その内容についてご紹介します。
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歯周病が進行するにつれ、病的な歯茎の溝である「歯周ポケット」がだんだんと深くなります。このような状態になると、普段の歯磨きで歯茎の内部まできれいにすることは不可能ですし、歯周病治療においても、その歯周ポケットの中に器具を入れ、歯石を取り除いていく際に、だんだんと歯石を完璧に取り切ることが難しくなっていきます。
そこで行われるのが、「歯肉掻爬剥離術(しにくそうははくりじゅつ)=フラップ手術」というものです。この手術は、歯茎を開いて歯根表面についた汚れを徹底的に除去するだけでなく、病的な歯茎を切除して歯周ポケットを浅くすることで、汚れのたまる場所を少なくし、歯周病の悪化を極力食い止めることができます。
ですが、この方法は、歯周病の健康を考えるという点では良いのですが、歯根が露出してしまうことで歯が長く見えてしまったり、知覚過敏を起こしやすくなったりするデメリットもあります。
そこで、このような問題を解決する手段として、1980年代にスウェーデンで歯周組織再生療法というものが開発されました。この治療法により、失われた歯周組織を再生することが可能になったのです。
現在、日本で行われている主な歯周組織再生療法としては、次の2種類があります。
骨が失われた部分にGTR膜と呼ばれる人工の膜を置くことで、歯槽骨などの歯周組織をその部分に再生させるという方法です。骨の欠損が比較的広い範囲で起こっている場合に対して有効な治療法です。
骨がなくなって露出した歯根の表面に、エムドゲインゲルと呼ばれるジェル状の薬剤を塗ることにより、骨の再生を促します。エムドゲインは、歯が生えてくるときに大事な働きを担っているタンパク質を主成分としており、歯が発生する時のような環境を人工的に作り出すことによって、歯周組織の再生を実現させる、ということを行います。こちらは、比較的骨の欠損の範囲が狭く、歯の周囲の一部分だけ骨がなくなっている、というようなケースに適用されます。
再生治療が行えるケースというのは限られていますが、当院でも適用できる患者様にはお勧めしています。歯周病治療は、昔に比べて進歩しており、予防や治療で歯を長く持たせることがだんだんと可能になってきています。
当院でも高度な歯周病治療を行なっておりますので、歯周病でお悩みの方は是非一度ご相談ください。
こういった歯に関するお悩みや治療に関して、堺市北野田駅前のおだデンタルクリニックにお任せください。インプラントや歯周病、歯の予防、お子様の歯の治療や矯正など様々な治療を承っております。歯に関する些細なお悩みでも医師や衛生師にお伝え下さい。