差し歯は歯茎に刺さっているイメージがあるからか、インプラントと混同されることがよくあります。ですが、両者は全く治療法です。インプラントと差し歯はどこがどのように違うのか、見ていきましょう。
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インプラントは、歯を歯根まで丸ごと1本失ってしまった場合に行います。歯根もありませんので、チタン製の人工歯根を埋めて、その上に被せ物のパーツを連結します。
インプラントをするためには、外科手術を避けることができません。インプラントは埋めたすぐは骨とくっつきませんので、両者がくっつく期間を数ヶ月待つ必要があります。そのため、すぐに治療期間が長くかかってしまうデメリットがあります。
■インプラントは保険がきくか?
インプラント治療は、現在のところ保険適用がありませんので、自費診療となります。
差し歯は、歯の頭部分である「歯冠」のみを失った場合に行う方法です。表からは歯がないように見えますが、歯根は全て残っているため、その部分にコア(土台)と呼ばれるしん棒を立てて、上に被せ物をします。
歯根の状態に問題がなければ、すぐに土台を入れて、被せ物をすることが可能です。しかし、根の内部が汚染されている場合には、一度根の治療をし直したのちにコアを立てて被せ物をする流れになります。
■差し歯は保険がきくか?
差し歯は保険適用のもの、自費のものがあります。保険適用のものの場合、前歯のだと白くすることができますが、プラスチックの素材であるため、最初は良くても、年数が経つと黄ばんできてしまいます。
奥歯の場合には全て銀歯の素材になります。また、土台に使用する金属の影響で歯茎が黒くなってしまうことも珍しくありません。少ないケースですが、金属アレルギーを起こす場合もあります。
自費診療の場合はセラミックの被せ物になります。セラミックは透明感に優れ、年数が経っても変色しませんので、最も自然で美しい見た目を実現できます。また、セラミックは体に優しい材料で、金属アレルギーを起こしたり、歯茎を黒ずませたりすることもありません。
インプラントは顎の骨に埋め込みますので、周囲の細菌感染に注意しなければなりません。インプラント自体は虫歯になりませんが、歯周病菌に感染して「インプラント周囲炎」という感染症を起こすことがあります。インプラントがダメになってしまうほとんどの原因はインプラント周囲炎ですので、これを起こさないようにすることが大切です。
インプラントと周囲組織の結合は天然歯と比べて弱く、細菌感染を起こしやすい構造をしているため、天然歯の時よりもより一層ケアに注意を払う必要があります。
インプラントの周囲に歯垢をためないよう、毎日の歯磨きをしっかりと行い、定期的に歯科へ通ってインプラントの状態のチェックと専門のクリーニングを受けることが大切です。また、かみ合わせの状態にも注意を払う必要があります。通常、定期的なメインテナンスを受ける際に噛み合わせもチェックを受けられます。
生活習慣の上でも注意事項があります。例えば糖尿病や喫煙はインプラント周囲炎の大きな危険因子ですので、そのような危険因子を避けるよう、健康的な生活を送るように心がけましょう。
差し歯は歯根にクサビのように差し込んである状態なので、かみ合わせの力が強くかかった時に負担が過剰になり、歯根が割れてしまうことが珍しくありません。
歯根が割れてしまうと、抜歯をせざるを得なくなります。どうしても歯が薄い場合には歯が割れるのを避けられない場合もありますが、歯根が割れにくいような土台を選ぶ、歯ぎしりのある人は歯ぎしりの力から歯を守る、などの対策をとることで歯を割れにくくすることが可能です。
具体的な対策として、保険で使用されている金属製の土台ではなく、自費のファイバーコアなど、しなやかな材料のものにすることで、歯根破折を極力防ぐことができます。また、歯ぎしりなどから歯を守るためには歯を保護してくれるマウスピースを眠っている間につける、という方法があります。
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