腸内細菌と体の健康の関係はよく知られています。一方、お口の中の細菌環境というのは、虫歯や歯周病を起こすもの、とだけ思われがちです。ですが、お口の細菌環境というのは、腸内環境同様、体の健康状態と密接に関係しています。
お口の中には数百種類、1000億個以上もの口腔常在細菌がいると言われており、どのような生活をしているかによってその細菌バランスや数は違ってきます。細菌というと、体に害を及ぼすものと認識されがちなのですが、ウイルスから体を守ってくれたりなど有益な働きもしてくれています。
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細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分けられ、その理想的な割合は、善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割、と言われています。虫歯菌や歯周病菌は体に悪影響をもたらす悪玉菌ですが、細菌のバランスが良い状態に保たれていれば、そこに存在するからといって必ずしも悪さをするわけではありません。
お口の清掃状態が悪くなったり、免疫力が落ちたり、といったことが起こると、細菌バランスが崩れ、日和見菌も悪玉菌になびいてしまうので、お口の中の環境は途端に悪くなり、虫歯や歯周病が起こりやすくなります。
口内細菌環境が乱れ、悪玉菌が優位になると、虫歯や歯周病だけでなく、全身にまで影響が及びます。具体的には、細菌が血管から血中へ、そして呼吸器から肺の方へ行くことで、さまざまな病気を引き起こします。例えば、心臓病、脳梗塞、動脈硬化、糖尿病、肺炎、といったものが代表的です。これらの病気は命に関わることもあるので、決して侮ることはできません。
このような病気の全てがお口の細菌が原因、というわけではありませんが、関係している場合も決して少なくはないため、リスクを減らすためにも、口内細菌環境を整えておくことはとても大事なことだといえます。
口内細菌環境をいつも良い状態に保つためには、次のことに気をつけ、実践するようにしましょう。
歯磨きを怠ると、悪玉菌が増えてしまいます。少なくとも1日に2回は磨きをして、悪玉菌がはびこらない環境づくりをしましょう。
歯磨きをしていても、磨ききれない歯垢や歯石が溜まります。良い口内細菌環境を維持するためには、一般的には3〜6ヶ月に一度のクリーニングがおすすめです。
睡眠不足やストレスの蓄積は免疫を落としてしまいます。また、暴飲暴食、不規則な生活もよくありません。健康的な生活を心がけることで、自ずとお口の細菌環境も整いやすくなっていきます。また、タバコや過度の飲酒も口内細菌環境を乱す原因となりますので、気をつけましょう。
口内細菌環境は、ちょっと気をつけるだけでも改善していきます。ぜひ参考にしてみてください。
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