歯周病はかつて「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていた病気で、最近では一般の方にも「歯を失う原因となる病気」としてよく知られるようになりましたが、この病気の直接的な原因は歯周病菌です。多くの人が歯周病菌に感染してしまい、歯を失ってしまっているのが現状ですが、歯周病菌の感染は防げるものなのでしょうか。
目次
歯周病は歯周病菌が感染することによって起こる感染症です。歯磨きをしていなかったり、うまく磨けていなかったりすると、その日からプラークが蓄積し始めます。プラークは細菌の塊で、初めは虫歯菌の代名詞ともいえるミュータンス菌などが増殖しますが、日が経つにつれて空気を嫌う細菌もそこに加わってきます。この空気を嫌う細菌の多くが歯周病菌であり、だんだんとこのプラークが成熟してくると、歯茎をはじめとする歯周組織に影響が及び、だんだんと破壊され始めます。
歯周病菌には数多く種類があります。そのなかで、歯周病にかかっている人の多くが感染してしまっている主な細菌として、P.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス菌)、T.f菌(タンネレラ・フォーサイシア菌)、T.d菌(トレボネーマ・デンティコラ菌)の三種が挙げられます。
この中でも特にP.g菌はメインとなる細菌で、強い病原性があり、歯周病だけでなく動脈硬化や心疾患などの全身的な病気の原因となっていることでも知られています。
歯周病菌は歯周病の直接的な原因ではありますが、お口にいるからといって必ずしも感染を起こすわけではありません。実際、ほとんどの人が歯周病菌を保有していますし、歯磨きをどれほど頑張ったところで、細菌自体をいなくすることはできません。にもかかわらず、歯周病を発症する人がいないということはどういうことなのでしょうか。
実は、歯周病の発症には、いろいろな条件が関わっています。その条件として「歯周病菌の攻撃力」「体の抵抗力」「生活習慣」といったことが挙げられます。
まず、清掃状態があまり良くなくて歯周病菌が増えすぎるとかかりやすくなります。ですが、それほどプラークが溜まっていなくとも、体の抵抗力が落ちてしまっていると、歯周病菌にうまく対応できずに歯周病を発症したり、悪化させやすくなります。これは、疲労が蓄積したり、睡眠不足だったり、ストレス過剰だったりすると病気にかかりやすくなるのと同じことです。
生活習慣に関していえば、例えばタバコが挙げられます。タバコを吸っていると一酸化炭素やニコチンなどの作用により、歯周病が悪化しやすくなります。また、糖質の多い食習慣や歯ぎしりなども歯周病を悪化させやすくなります。生活習慣病の糖尿病によっても、歯周病は悪化します。
歯周病菌は、家族などの近親者からもらうことがほとんどであり、完全に細菌自体が口の中に入り込むことを防ぐのは大変難しいといえます。ですが、歯周病菌が口に入ったからと言って歯周病を発症するわけではありません。
歯周病を防ぐためには、まず歯周病菌を「増やさない」と言うことが大事です。そのためには、プラークがたまらないよう、磨き残しのないよう、しっかりと正しい方法で歯磨きを行う必要があります。
そして、体の抵抗力を下げないよう、生活態度を見直すことも重要です。具体的には、規則正しい生活をする、栄養バランスの取れた食事を取る、ストレスを溜めすぎない、タバコを控える、といった健康的な生活を送ることがとても大事です。ぜひ、意識してみてください。
こういった歯に関するお悩みや治療に関して、堺市北野田駅前のおだデンタルクリニックにお任せください。インプラントや歯周病、歯の予防、お子様の歯の治療や矯正など様々な治療を承っております。歯に関する些細なお悩みでも医師や衛生師にお伝え下さい。