歯に痛みを感じると「歯が悪いのだろう」と思うのが普通です。でも、歯の痛みと感じられるものであっても実際は歯が原因でない、ということは決して珍しくありません。歯が原因でないのに歯の痛みと感じてしまうものとしてはいくつかありますが、その中に心が原因となっている「心因性の痛み」というものがあります。今回は、歯の心因性疼痛についてご紹介します。
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歯の心因性疼痛というのは、心理的な要因が歯の痛みの発症・重症化を引き起こしているものです。
心因性疼痛を起こす原因のきっかけは、痛みへの意識の集中だと考えられています。つまり、痛みが起こった時に、様々な心理的反応が起こり、痛みに対する感覚に意識が集中し、それに加えて精神的な緊張状態が持続することによって痛みに対する意識がますます過敏になります。そうすると情緒が不安定になり、そのことが様々な体の感覚の変調をきたして痛みが持続すると考えられています。
歯科医院を受診する患者さんの多くは歯の痛みを訴えます。歯の痛みというのは、歯の神経、歯の周囲組織に問題が起こっているケースであれば、その問題を解決することで痛みも解消へと向かいます。
他にも、歯そのものが原因でなくても、副鼻腔や顎関節、顔の筋肉など、お口周囲の組織や器官に炎症などが起こることで歯の痛みとして感じることがありますが、このような問題もその原因を解決することによって痛みは解決できます。
ところが、歯にも、そのような周辺組織、器官にも問題が見られないにもかかわらず、もしくは患者さんが訴えるほどに問題を抱えているわけでもないのに、歯の神経や歯を抜いた後にかなり期間が経過しても局所に強い痛みを訴える場合があります。また、虫歯がない、歯茎にも異常がないのにもかかわらず、歯や歯茎の違和感を繰り返し訴えるケースもあります。これらのようなケースでは、心因性の疼痛が原因になっていることがあり、背景として、家庭内でのトラブル、人間関係でのトラブルなどが歯科的な症状として現れてくることも多いと言われています。
心理的なことが原因になっている可能性がある場合、歯の治療を行っても問題は解決しないばかりか、新たな症状を生み出し、痛みが悪化してしまう可能性もあります。そのため、このようなケースでは、病態を慎重に解明した上で、心身医学的な治療を併用する場合があります。
具体的には、カウンセリング、心理療法、薬物療法、理学療法、作業療法、自律訓練法、催眠療法、絶食療法、行動療法といったものを精神科医や心療内科医と連携をとりながら行い、精神的な不安やストレスの解消を図っていく、というようなことです。
歯の痛みだと思われるようなことでも、実際に歯に問題がないことはよくあることです。安易に一か八か歯科治療を行い、抜かなくても良い歯を抜歯してしまうようなケースも実際にあるようです。当院では検査をしっかりと行い、確実な診断を行った上で治療を進めております。痛みでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
こういった歯に関するお悩みや治療に関して、堺市北野田駅前のおだデンタルクリニックにお任せください。インプラントや歯周病、歯の予防、お子様の歯の治療や矯正など様々な治療を承っております。歯に関する些細なお悩みでも医師や衛生師にお伝え下さい。