睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が頻繁に停止してしまう睡眠障害のことです。睡眠時無呼吸症候群になると、大きないびきをかくだけでなく、放置していると体の健康に大きく影響を及ぼすことがあり、命を縮めてしまうこともあると言われています。この恐ろしい睡眠時無呼吸症候群が、歯科のマウスピースで改善できる可能性があります。
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睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が断続的に止まってしまうものですが、その原因として、「上気道が狭くなってしまうもの」と、「呼吸中枢の異常によるもの」の2大原因が考えられています。
睡眠時無呼吸を起こしている患者さんの9割はこれが原因だと言われています。上気道が何らかの原因で物理的に狭くなってしまうことで、空気が通れなくなってしまいます。上気道が狭くなる原因としては、次のようなものが挙げられます。
◆首・喉まわりの脂肪沈着
◆扁桃肥大
◆舌が大きい
◆舌根沈下
◆下顎が小さい
◆軟口蓋沈下
など
ただし、上のような特徴が一つあるからと言って必ずしも睡眠時無呼吸が起こるわけではありません。症状が起こるかどうかは、骨格やその中におさまる組織の量が関係してきます。例えば、もともと骨格が大きければ太っても上気道が狭くなることはありませんが、小さな骨格であれば脂肪がつくと上気道が狭くなりやすい、と言うように複数の要素が絡むと起こりやすくなります。
これは、気道は狭くなっていないにもかかわらず、脳からの呼吸指令が出なくなることによって起こるもので、数%の人がこれにあたります。この状態になる原因は様々ですが、心臓の機能が低下した人の3〜4割に見られるとされています。
睡眠時無呼吸症候群は、大人の1−6%、小児の2%ほどにみられ、男性に多く、男性の場合、30〜60代の働き盛りに、女性の場合は閉経後に多い傾向があります。
次のような特徴のある方は睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。
・晩酌をする
・喫煙する
・高血圧である
・糖尿病である
・高脂血症である
・アレルギーがある
・太り気味
・下あごが小さい
・下あごが引っ込んでいる
・歯並びが悪い
・首が短い、太い
・舌が大きい
睡眠時無呼吸症では次のような症状を引き起こします。セルフチェックしてみましょう。
・大きないびき(しばらく無音の後に大きな音のいびき)
・眠っている最中、呼吸が止まる
・眠っている間にむせる
・夜中によくトイレに行く
・夜中によく目がさめる
・寝汗をかく
・寝起きに口がかわく
・寝起きに頭が痛い
・スッキリ起きられない
・体が重い
・日中眠くてたまらない
・倦怠感がある
・集中力が続かない
・気分が晴れない、落ち込む(抑うつ状態)
睡眠時無呼吸症候群になると、酸欠状態になり、循環器系に負担がかかりすぎて、高血圧や不整脈、心筋梗塞や狭心症のような虚血性心疾患、脳血管障害などを起こしやすくなることがわかっています。その他にも、肥満や糖尿病、高脂血症、うつ病、自律神経失調症などとも関連があるとも言われているのに加え、居眠り運転を引き起こしやすくなるので、放置すると時に命に関わることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の可能性があれば、睡眠外来や呼吸器科、耳鼻咽喉科、循環器科などで相談してみましょう。どこでみてもらったらいいのかわからない場合にはひとまずかかりつけのお医者さんに相談してみると良いでしょう。診断の結果、症状の程度がひどくなければ、歯科で就寝時のマウスピースを作製することで治療できる場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療法にはいろいろありますが、その中でも体への負担が軽く、手軽に行えるのが歯科でのマウスピースを使用した治療法です。
眠っている間にマウスピースを装着し、舌や下あごを前方に突き出した状態で固定することで気道が確保され、無呼吸・低呼吸を改善することができます。これによっていびきも改善できます。
ただし、全ての症例に効果的というわけではなく、重症の場合には効果が不十分なこともありますので、重症度をきちんと見極めて行うことが大切です。
当院では、マウスピース療法に対応しております。病院など専門機関の診断書をお持ちいただければ保険でマウスピースをお作りできますので、睡眠時無呼吸症候群と診断された方はお気軽にご相談ください。
こういった歯に関するお悩みや治療に関して、堺市北野田駅前のおだデンタルクリニックにお任せください。インプラントや歯周病、歯の予防、お子様の歯の治療や矯正など様々な治療を承っております。歯に関する些細なお悩みでも医師や衛生師にお伝え下さい。