歯を傷めてしまう癖として知られているものに、歯ぎしりや食いしばりがあります。食いしばりも強い力がかかりますが、眠っている間の歯ぎしりも、体重以上の力がかかると言われており、数十キロの力がかかり続けることで歯やその周囲の組織を徐々に破壊していきます。
ですが、このような強い力でなくても、歯を軽く合わせる癖によって歯や体への影響があることがわかってきました。
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夜間に無意識に行う歯ぎしりや、ふとした時に行う食いしばる癖が歯に良くないことは一般的にもよく知られています。そしてこのような癖は、歯にダメージを与えるだけでなく、あごの関節や、体の筋肉にまで影響が出ることがわかっています。
そのため、歯ぎしりや食いしばりに対しては、歯にマウスピースをつけたりすることで対処されていることも多いのですが、そこまで強く力がかからない場合には、これまで特に注意が払われていませんでした。
皆さんは、ふとした瞬間や何かに集中している時に歯を合わせていることはありませんか?もし心当たりがある場合、それが強い力でないとしても歯や体にとって悪影響が出ることがあります。
このような、上下の歯を接触させてしまう癖を、TCH(Tooth Contacting Habit=歯列接触癖)といいます。
TCHが起こりやすいのは、例えば、本を読んでいる時、ゲームをしている時、スマートフォンを見ている時、料理や家事をしている時など、何かに集中している時です。
あまりよく知られていませんが、本来歯を合わせるべきなのは食事や会話の時のみであり、その時間は1日に20分以内程度とさえ言われています。
もしそれ以上不必要に上下の歯を合わせている場合、それは歯への過剰な負担、周囲筋肉や関節への過剰な負担となり、様々な影響が現れてきます。
TCHによって起こってくる症状にはいろいろなものがあります。
例えば、歯に関しては、歯の違和感や知覚過敏、歯の痛みすら感じてしまうことがあると言われています。
全身の症状としては、あごの関節の痛み、お口が開きづらいというような顎関節症状に加え、頭痛、肩こり、首の痛みといった頭部周辺の症状が主に知られています。
また、歯が接触する時というのは、唾液も一緒に出てくるので、唾液を飲み込む回数が増えます。それゆえ、唾を飲み込む回数が増えてしまうことから、オナラやゲップが増えるということまで起こってきます。
そしてさらに、TCHを行なっていることで夜間の歯ぎしりを誘発、悪化しやすくなるとも言われており、さらに症状が悪化することが危ぶまれます。
もし無意識に歯を合わせていることがある場合、なるべく早めにその癖をやめることが大切です。意識して歯を合わさないようにすることで、自然と起こらなくなってくることも多いですが、忙しい毎日の中だとどうしても忘れてしまいがちです。
そんな場合、次のような方法を試してみてください。
1.とにかく「歯を離す」ことを普段から意識してみましょう。
2.忘れないように「歯を合わせない」と書いたメモや付箋紙を家のいたるところに貼ってみましょう。
たったこれだけのことでも、通常はだんだんとTCHなくなっていきます。
一度癖になってしまったものはなかなかやめられないものですが、だいたい2〜3ヶ月もするうちにきっと改善が見られることでしょう。
TCHはストレスが大きな原因として考えられています。そのため、普段からストレスを溜め込まないよう、ストレスを発散できるよう、自分の好きなことをする時間を持つことも大切です。
こういった歯に関するお悩みや治療に関して、堺市北野田駅前のおだデンタルクリニックにお任せください。インプラントや歯周病、歯の予防、お子様の歯の治療や矯正など様々な治療を承っております。歯に関する些細なお悩みでも医師や衛生師にお伝え下さい。