みなさんの中には、以前「歯槽骨の量や厚さが足りない」という理由から、インプラント治療を断念した人もいらっしゃるのではないでしょうか。以前は歯槽骨の量や厚さに左右されていたインプラント治療ではありましたが、歯槽骨の量や厚さを補うさまざまな治療法が確立し、以前はインプラント治療に適応外となってしまった人でも、インプラント治療を受けることが可能となりました。そこで今回は、歯槽骨の量や厚さが足りない場合に適応されるインプラント治療について、詳しくご紹介していきましょう。
目次
まずは、インプラントとはどのような治療をおこなうのかをご紹介致しましょう。インプラントは虫歯や、歯周病、外傷などで失った歯の機能を補うために、およそ100年前からおこなわれてきた治療法です。コバルト合金と呼ばれる注射針や骨の補正に使用されている金属のネジを歯槽骨に埋めていましたが、骨に結合することはなかったので、結局は既存の歯に固定してインプラントを維持するしかありませんでした。しかし、1965年にチタンが骨と結合するという発見をもとにチタン製のインプラントが開発され、現在に至るまでチタン製のインプラントが世界中で使用されています。
では、なぜ歯槽骨は足りなくなるのでしょうか。歯を失ってから長い時間が経っている場合、歯槽骨がやせ細ってしまう研究結果も報告され、歯を失ってから約10年で1㎝もの歯槽骨が減少していることがわかっています。この場合、長年入れ歯をしている場合も当てはまり、長年の入れ歯生活から脱却しようとインプラント治療をおこなおうと検査をしたところ、歯槽骨の量や厚みが足りない自体に陥ることも多く見受けられます。
また、歯周病で歯を失った場合は、歯周病菌によって歯槽骨が吸収され減少しているため、インプラントに適応しない場合があります。
従来のインプラント治療では、歯槽骨の量や厚みが足りない場合は治療をおこなえませんでした。一般的なインプラントの直径3~5mm、長さ6~18mmとあり、歯槽骨の量や厚さはもちろんのこと、歯槽骨の幅や高さが足りない場合、埋め込むことができませんでした。
しかし、骨造成(GBR)や上顎洞底挙上術が確立され、それら治療をおこなうことでインプラント治療をおこなうことができるようになり、更にはショートインプラントが開発され、今までインプラント治療がおこなえなかった人でも、失った歯を補う治療法の選択支の1つとして考えられるようになりました。
以下が、歯槽骨の量が足りない、厚みが足りない、幅や高さが足りない場合におこなう治療法です。
通常のインプラントのサイズはおよそ、直径3~5mm、長さ10~18mmでありますが、ショートインプラントは、8mm未満のインプラントを使用します。「歯槽骨の厚みや高さが足りない」、「埋入予定の部位は神経や血管が近い」などの患者さまに適応されます。
歯槽骨が足りない部位に、人工骨や自家骨(自身の骨)を配置し、更にその上にメンブレンと呼ばれる人口膜を配置することで歯槽骨の造成するスペースを確保します。患者さまの歯槽骨の状態によって、インプラント埋入と同時に骨造成する場合と、骨造成のみをおこない、期間をおいてインプラント埋入をおこなう2通りの方法があります。
上顎洞底挙上術には2通りの方法があります。サイナスリフトは患者さまにかかる負担も多く、近年ではソケットリフトを採用することが多く、世界的にも採用されている方法です。
歯槽骨が薄くなっている場合に適応される方法です。インプラントを埋入するために、上顎の歯槽骨に穴を開け、上顎洞の粘膜を持ち上げ人工骨補填材を入れ、歯槽骨の厚みを確保します。半年ほどで歯槽骨として形成されます。
歯槽骨が薄くなっている場合に適応される方法です。インプラントを埋入するために、上顎の歯槽骨に小さな穴を開け、人工骨補填材を入れ専用機器で上顎洞底を持ち上げます。4~5ヶ月で歯槽骨として形成されます。
今回は「歯槽骨の量が足りない場合、インプラント治療はできないのか」について、ご紹介してまいりました。「歯槽骨の量が足りない」ことを理由に、インプラント治療を断念した人、長年の入れ歯生活で歯槽骨の量に不安を覚える人でも、今回ご紹介したショートインプラント、骨造成(GBR)、上顎洞底挙上術などの治療をおこなうことで、インプラントを埋入することが難しかった歯槽骨でも、インプラントを埋入することが可能となりました。
「他院で歯槽骨の量が理由で治療を断られた」、「インプラントが適応するか不安」など、インプラント治療をお考えの際には、お気軽にご相談ください。
こういった歯に関するお悩みや治療に関して、堺市北野田駅前のおだデンタルクリニックにお任せください。インプラントや歯周病、歯の予防、お子様の歯の治療や矯正など様々な治療を承っております。歯に関する些細なお悩みでも医師や衛生師にお伝え下さい。