金属を使わないノンメタル治療ってどんな治療?
これまでの歯の治療というと、金属を使うことが当たり前のようになっていましたが、それは強度の面で金属が優れているから、という大きな理由があるからでした。ですが、近年では金属以外の材料の進歩により、金属を使わなくてもさまざまな治療が可能になってきています。
目次
ノンメタル治療とは

ノンメタル治療とは金属を一切使わない治療、という意味で、メタルフリー治療とも呼ばれています。保険で治療を行う場合、奥歯のある程度大きめの虫歯や、前歯の被せ物のフレームには、金属が用いられます。
ただし、金属にはさまざまなデメリットがあるため、だんだんと金属を使わない自費でのセラミック治療を選ぶ方が増えてきています。
金属を使う治療のメリット・デメリット
金属を使う治療には次のようなメリット・デメリットがあります。
<メリット>
◆強度に優れる
強い力がかかる奥歯であっても、金属ならその力に十分耐えることができます。
◆治療費を安く抑えられる
保険治療では、奥歯のある程度大きめの治療に金属が使われますが、治療をリーズナブルに済ますことができます。
<デメリット>
◆見た目が悪くなることがある
治療する場所によっては金属が見えて審美的に問題が出てしまいます。
◆金属アレルギーなど体への影響がある
金属イオンが唾液中に溶け出すと、金属アレルギーを起こすことがあります。
◆歯茎を黒く変色させることがある
金属イオンが歯茎の色を入れ墨のように黒くしてしまうことがあります。
◆劣化しやすい
特に保険で使用される金属は年数が経つにつれ、劣化しやすい性質があります。
ノンメタル治療の種類

ノンメタル治療としては、次のような治療法があります。
1.コンポジットレジン(歯科用プラスチック)
この材料は前歯の虫歯治療や、奥歯の小さめの虫歯治療によく用いられます。近年ではより審美性に優れ、質の良いコンポジットレジンも出てきています。ただし、強い力がかかる部分には向きませんし、表面に傷がつくので、年数とともに変色してしまいます。
2.オールセラミック
セラミックを100%使った治療法で、強度、審美性、生体親和性に優れた特徴を持つ材料です。非常に劣化もしにくいので、治療したところも長持ちしますし、傷がつかないので、変色せず、ずっと美しさを保つことができます。
最近では、硬いセラミックであるジルコニアを使うことによって、非常に強い力のかかる奥歯のブリッジなどでも、金属を使うことなくセラミックのみでの治療が可能になっています。
3.ハイブリッドセラミック
コンポジットレジンとセラミックの中間とも言える材料で、両者の良いところを兼ね備えているのが特徴です。ただし、コンポジットレジンの持つ性質により、年数が経つと、多少変色する可能性があります。オールセラミックよりはかなり費用を抑えてセラミックに近い治療ができるのがメリットです。