普通より歯が多い?過剰歯とは
7〜8歳頃にお子さんの上の前歯がなかなか生えてこない、というような異変があり、レントゲンを撮ってみると、過剰歯というものが原因になっていることがあります。過剰歯(かじょうし)というのは、通常生えるべき歯よりも余分に存在する歯のことで、その発生頻度は三十人に一人程度と言われています。
目次
過剰歯の問題点

過剰歯がある場合、埋まっている位置によっては、本来生えるべき歯の萌出を邪魔してしまったりなどの問題を起こすことがあるので、そのような場合には積極的に抜歯をすることが望まれます。
ですが、骨の奥深くに埋まっていて特に障害にならないようであれば何もせずに経過を見守ることもあります。
過剰歯があることで次のようなトラブルが起こることがあります。
◆永久歯が正常に出てこられない
真ん中の前歯の間に過剰歯があるケースに多く、過剰歯が邪魔で永久歯が生えてこられない、曲がって生えてくる、というようなことが起こります。
◆上の前歯がすきっ歯になる
過剰歯があるせいで上の前歯がすきっ歯になることがあります。
◆永久歯の歯根を溶かしてしまう
骨の中に埋まっている過剰歯が、他の歯の歯根を圧迫し、その歯根を溶かしてしまうことがあります。
◆のう胞の原因になる
過剰歯の周囲に「のう胞」と呼ばれる袋状の病変を作ることがあります。のう胞は大きくなると、永久歯の歯根を吸収(溶かして)しまったり、生えている歯の歯根に感染が起こった際、そののう胞に感染が広がってしまうことがあります。
過剰歯の原因と種類
過剰歯が作られる原因としては、歯のタネとなる歯胚(しはい)が多く作られる、分裂する、というようなことだと考えられていますが、まだはっきりとした原因は解明されていません。遺伝的なものもあると言われています。
過剰歯として多いのは、上の真ん中の前歯の間で、「正中(せいちゅう)過剰歯」と呼ばれており、過剰歯全体の約半分がこれだとされています。ほとんどの場合、前歯が生え変わるべき時期にきちんと生え変わらないことでレントゲン検査をして発覚します。
このほかには、親知らずの後ろに生えてくる過剰歯や、大臼歯の外側に生えてくる小さな「臼傍歯(きゅうぼうし)」といったものが挙げられます。骨の中に埋まって出てこない場合もあります。
過剰歯の対処法

過剰歯が永久歯の萌出に確実に悪影響を及ぼすような場合には、過剰歯の抜歯をします。
骨に埋もれてずっと出てこない場合で、特に害を及ぼさない場合には経過観察をしていきます。
ただし、反対向きに埋もれている場合、鼻の方に移動し、副鼻腔から生えてしまうこともあるので、そのような場合には経過を見て必要に応じて抜歯が勧められます。