歯茎から血が出るというのは、特別珍しいことでもなく、きっと誰でも体験したことがあることだと思います。時々起こる一時的な出血ならば、大して問題ないケースがほとんどですが、頻繁に出血する、血が止まりにくい、という場合にはちょっと注意が必要です。
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歯茎から出血している場合、その原因のほとんどは歯周病です。歯周病は子供や若い人によく見られる歯肉炎、中年以降に見られる歯周炎に分けられますが、いずれの場合でも出血しやすくなるという症状が起こります。
ちなみに、歯肉炎と歯周炎には次のような違いがあります。
炎症は歯茎のみにとどまっている状態で、骨の破壊は見られない。子供や若者に多い。
感染が広がり、歯茎だけでなく歯を支えている骨にも影響が現れ、破壊されてしまう。中年以降に多い。
また、女性は、ホルモンバランスの変化により、歯周病にかかりやすくなる期間があります。例えば、思春期、妊娠中、更年期の時期には特に起こりやすくなります。
歯周病以外で出血を起こす原因として、次のようなものがあります。歯磨きを適切に行っていても、歯石取りをしっかりと行っていても、歯茎から簡単に出血しやすい状態が続くようであれば、以下を疑うこともあります。
白血病や血友病、血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、ネフローゼ症候群、といった全身性の病気です。ただし、これらの病気の場合、歯茎の出血だけでなく、鼻からの出血、傷の治りが遅い、高熱、倦怠感、アザが出来やすいといったような他の症状も同時に出ることが一般的です。
ワーファリンや小児用バファリンなど、血液の流れをよくする薬を飲んでいる場合、出血が止まりにくくなります。
特に、ビタミンC、D、Kが欠乏すると出血しやすくなると言われています。
こちらも時々見られます。歯ブラシを力一杯ゴシゴシやってしまう人、硬い歯ブラシを使っている人は、歯茎を傷つけ、歯周病がなくても出血してしまうことがあります。
歯磨きを怠った場合、もしくは歯磨きをしたとしても、適切な位置に歯ブラシが当たっていないと、約24時間で歯垢(細菌の塊)が形成され、歯茎が炎症を起こすと言われています。出血は歯周病にかかった場合に最も初期に現れる症状ですので、このサインを見逃さず、しっかりとこの段階でブラッシングを行い、対処しておくことが大切です。
歯垢を放置してさらに1日、2日・・・と経つうちに、今度は歯垢が硬くなって歯石ができ始めます。こうなると歯ブラシでは落とすことができず、歯石に絡みついた歯垢が持続的に炎症を起こすことになります。歯周病は進行すると歯を失う原因となる恐ろしい病気です。またそれだけでなく、体の健康を害してしまうことでも最近はよく知られてきています。例えば、心臓病、脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産、メタボリックシンドロームなど多くの生活習慣病を含む重大な全身疾患との関連が明らかになっています。
なるべくこのような事態に至らないためにも、ぜひとも歯茎の出血に注意を払い、ブラッシングを徹底する、また歯科で定期的なケアを受けるといったことをおすすめします。
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