コラム

2023.07.14

げっぷやおならの原因に?かみしめ・呑気症候群とは

げっぷやおならが頻繁に出る、お腹が張る、胃がムカムカするといった症状があると食べ物が原因、もしくは食べ過ぎが原因と考えるのが普通です。ですが、食べ物、食べ方に関係なくこのような症状が出ることがわかっており、その一つの原因としてかみしめ・呑気症候群というものがあると言われています。

呑気症(どんきしょう)とは?

呑気症(どんきしょう)とは、唾液を飲み込む際に無意識に空気を大量に飲み込んでしまうことによって、胃や腸などの消化器官に空気ガスが溜まってしまい、それが原因でげっぷやおなら、お腹の張りなどが出る症状のことをいいます。別名、空気嚥下症とも呼ばれます。日本人の1割強の人にみられ、20代〜50代の女性に多いとされています。

げっぷやおならが頻繁に出るのはとても厄介ですが、それだけでなく、げっぷにより胃液や食べ物が口の方へ逆流し、逆流性食道炎を起こし胸焼けを起こすこともあります。また、他人と一緒にいる時にげっぷやおならを我慢することによりそれがストレスとなり、さらに症状が悪化して不安症やうつ症状を起こすこともあります。

歯のかみしめによって起こる「かみしめ・呑気症候群」

日常的な無意識のかみしめによって呑気症が起こることがあり、これを「かみしめ・呑気症候群」と呼んでいます。かみしめというと、眠っている間の歯ぎしりや力を入れる際にかみしめることをイメージされるかもしれませんが、普段意識していない時にふとかみしめてしまっていることがあり、このようなことでも呑気症を起こすことがあるのです。

このような無意識のかみしめは、緊張や不安を感じている時、ストレス状態にある時、何かに夢中になっている時、頑張っている時などに起こりやすく、それによって歯の痛みなどのトラブル、頭痛、肩こり、耳鳴り、顎の痛みなどの症状が現れやすくなります。またそれに加え、かみしめることにより唾液を飲み込む動作が増えてしまうため、それとともに空気も飲み込んでしまい、げっぷやおならといった呑気症の症状も出てしまうのです。

かみしめ・呑気症候群の症状

かみしめ・呑気症候群の症状は多岐にわたります。報告されているものとして次のようなものが挙げられます。

・歯の違和感、痛み、知覚過敏
・顔面の痛み、顎の痛み
・頭痛、肩こり、首の痛み
・耳鳴り
・ふらつき
・吐き気
・喉の痛み、違和感
・胃の不快感
・胸焼け
・目の痛み
・げっぷ、おなら
・腹部膨満感
・胃下垂
・過敏性腸症候群

など

かみしめ・呑気症候群の治療

げっぷやおなら、他の胃腸症状が出ている場合には、まず消化器系の病気がないかをまず内科、消化器科などで診断、治療を受ける必要があります。もしそれでも改善が見られない場合にかみしめ・呑気症候群が疑われる場合には、歯科的、心療内科的なアプローチが効果を現すことがあります。

歯科的アプローチとしては、日中にかみしめない、食事以外の時には上下の歯をなるべく接触させないことを患者さん自身に意識していただくことがまず大事です。また、歯に装着するマウスピース(スプリント)を作製し、装着していただくのも効果的です。日中や夜間にマウスピースを装着することにより、かみしめを防ぎ、症状を軽減させていくことができます。ストレスが原因になっている場合には、極力ストレス解消に努めることが大事ですが、場合によっては心療内科的なアプローチが必要になることもあります。

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