コラム

2023.07.14

虫歯はちょっとくらいだったら放置しても平気?

虫歯を検診で指摘されたけど、特に痛くないのでそのうち歯医者に行こうと思っている、もしくは痛くなってから行こうと思っている、というような人はいませんか?虫歯と言っても案外痛くないものも多いのですが、今現在痛みがないからといって「大丈夫」というわけではありません。虫歯を放置していると、もちろん痛みが起こってくるリスクがありますが、それ以外にも、歯が長持ちしなくなったり、体にとって危険なことが起こってくる可能性だってあります。虫歯を放置することで起こってくるリスクとはどのようなものなのでしょうか。

虫歯を放置するとどんなことが起こってくる?

虫歯を放置することで起こってくるリスクとして、次のようなものが挙げられます。

痛みどめが効かないくらいの激痛が出てくる

虫歯の痛みというのは、初期には全くなく、進行するにつれてしみるような痛みが出だし、それがだんだんとひどくなってきます。神経にまで虫歯が達してしまうと、ズキズキと脈打つような痛みが現れ、そのうち痛み止めも効かなくなるほどの強烈な痛みとなっていきます。しかもそのような強い痛みは、夜中に出るというパターンも多いため、痛み止めも効かない状態になってしまうと、非常に辛い思いをすることになりかねません。

治療時に麻酔が効かなくなる恐れがある

神経に虫歯が達すると、神経は強い炎症を起こします。歯科治療で一般的に使う麻酔薬は、「浸潤麻酔」と呼ばれるもので、歯茎に注射します。注入された麻酔薬は、歯茎から骨の中に広がり、歯根の先端から歯の中に入り込んでいる神経にまで達することで効く、というメカニズムになっています。

ところが、麻酔というのは炎症が起こっている部分には非常に効きづらく、何度麻酔の追加をしても麻酔が効かないというような事態がよく起こります。つまり炎症が強く起こっていて、非常に痛い状況の時というのは、麻酔が効かずに治療時に我慢を強いられる、辛い治療になりがちなのです。

治療の回数や治療費がぐんと増える

虫歯の治療は、軽い虫歯のうちだと、虫歯の部分だけを削って詰めてその日のうちに終わる場合もありますし、やや広がった虫歯であっても、神経が炎症を起こしていなければ、虫歯を削った後に型取りを行い、次の回には詰め物をして終了する、という2回のステップで終了することができます。

しかし、虫歯の治療を怠って、神経にまで達してしまうと、神経を取り除かなければならなくなります。神経の治療というのはその治療だけで何回か治療回数がかかりますし、また、それに伴って治療費も余計にかかってしまいます。

歯を長く持たせられなくなってしまう

歯というのは、歯の内部に入っている神経や血管によって、栄養が送られたり、外部からの危険を察知しています。ところが、虫歯が神経に達してしまうと、その大事な部分を全て取り除かなければならなくなってしまいます。

そうすると、歯が衝撃に対して脆くなり、硬いものを噛んだ拍子に割れてしまったり、再度虫歯ができて、もし奥にばい菌が入り込んでも、全く痛みを出さずにずっと気づかず、根の奥に膿を溜めてしまい、歯の寿命を縮めてしまうことになります。

感染が身体中に広がる恐れがある

虫歯というのは歯をダメにするだけではありません。虫歯の細菌は、顎の骨の中に広がり、骨髄炎という骨の感染症を起こすこともあります。そうなってしまうと、感染してしまった骨は切除して取り除かなければならなくなります。さらに怖いケースでは、細菌が血管に入り込んでしまって、全身に回ってしまい、心臓や脳に感染を起こすこともありえます。

虫歯が痛くなくなった、治ってるの?

虫歯が痛んでいたけれども、痛みを感じなくなるケースというのがあります。このような場合に「虫歯が治った」と思い、さらに放置してしまう人がいますが、それは大きな間違いです。基本的に虫歯というのは、ごく軽い「初期虫歯」の状態を除いて、自然治癒することはありません。

初期虫歯は、まだ歯に穴があいておらず、表面に着色しているだけの状態です。この状態であれば、表面が「再石灰化」を起こすことで、本格的な虫歯にならずに済ませることも可能です。しかし、それ以上の「明らかな虫歯」に関しては、そのようなことは望めません。

それではなぜ歯の痛みがなくなってしまうケースがあるのでしょうか?それは、歯の炎症が起こっている状態のピークを過ぎると、だんだんと神経が死んでいってしまうためです。神経が死ぬと、感覚神経も機能しなくなるので、痛くなくなったように感じるのです。死んだ神経はそのうち腐敗し、いずれ感染が広がって歯根の先端周囲に膿溜まりを作り、やがて強い痛みや腫れを起こしてきます。そのため、歯の痛みがなくなったからといって、放置することはお勧めしません。

虫歯は軽い段階ではほとんど症状を出さないため、自分では気づかないケースが多くあります。そのため、定期的に歯科に通い、虫歯のチェックを怠らないようにしていくことが大事です。

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